ブラックバスを食べよう

もともとブラックバスは、1925年(大正14年)5月、当時大正銀行の頭取であった赤星鉄馬氏の手によってアメリカから日本の芦ノ湖にはじめて移殖されたものである。
赤星氏は近代化による環境破壊のために魚類が減少することを憂慮し、保護増殖すべき魚を選定条件を設定して検討した。ここまでは、素晴らしいお話なのだがしかし、日本国内ではその選定条件を満たす魚はなかったらしい。
そこでなにをトチ狂ったか、他国の魚を移入することとなり、最終的には中国のケツギョとアメリカのブラックバスが選定に残った。そこで、繁殖力が強く、魚自体が大型に成長し、釣って面白く、美味でその味は日本人の口に合ったもので、そのため産業的にも価値が見込まれ、尚且つ鮮度の長期的保存が可能な(つまりはなかなか死なない)魚という良いとこ尽くめであったブラックバスが選ばれたのである。あ〜あ、何でこうなるの?
で、その後の顛末は御存知の通り。そのとんでもない繁殖力と適応能力によって日本の湖沼や河川の生態系を狂わす要因の一つ(であると私は言い切る)になってしまったのである。

え〜っと、話がそれてしまいましたが、要するにブラックバスはもともと食用として移殖された魚なのであります。

ちなみに、岩手県では「オオクチバス、コクチバスその他のオオクチバス属の魚類及びブルーギルを県内の内水面における第五種共同漁業権の設定された漁場の区域(北上川本流ものちに追加)において採捕した者は、これらをその区域に放し、又は生かしたままその区域から持ち出してはならない」という県条例があり、命令に従わない場合は1年以下の懲役や50万円以下の罰金が科されます。
だから、釣ったらちゃんと食べましょうね。

食べたこともないのに、バスを「不味い」と言いきる人が多すぎる。バス釣りが趣味だという人でも、その多くがバスを食べたことがないと言う。
釣って、食べて、自分の血や肉となってこそほんとうにバスを理解できると私は思うのですが、いかがでしょうか?


ブラックバスは白身の魚で、スズキやタラに近いものがある。
ただし、実際に食べる際には特有の臭味が問題となるが、それさえクリアした調理法であればとてもおいしい魚である。
実際に食べてみた調理法を紹介します。あまり凝った料理ではなくてアウトドアで簡単にできるものです。

1. バスの刺身
材料 ブラックバス、しょうゆ、ワサビ
・まず水の綺麗なところで釣ったバスを用意します。(笑)
・鱗を取り、三枚におろし、厚めに皮をむきます。厚めにむくのがポイント。皮や鱗が臭いんですね。
・適当な大きさに切ってでき上がり。ワサビでいただきます。
* 意外やこれが美味! ちょっとコリコリしていてアイナメに近い味です。バスを釣ったらまず刺身で食え!
ただし食べた後、体に変な瘤やミミズ腫れができて動き回っても(?)当方は責任を負いません。(笑)
ご参考までにこんなニュースもありました。

2. バスのトマトソース煮
材料 ブラックバス、タマネギ、ニンニク、ホールトマト、トマトケチャップ、カタクリ粉、塩、コショウ、油(バター)
・三枚におろし皮を湯むき*(バスの前処理参照)したバスの身に塩、こしょうを振って下味をつける。
・それにカタクリ粉をまぶし油でソテーする。
・別にフライパンでタマネギとニンニクを焦げないように炒めておいて、ソテーしたバスを入れて、ホールトマトとからめる。
・ひと煮立ちしたら、塩、コショウ、トマトケチャップで味をととのえてできあがり。
* ひと煮立ちする前に赤ワインを入れたり、味をととのえる際にタバスコを入れたりしてもおいしいと思います。

3. バスキムチサンド
材料 ブラックバス、食パン、レタス、キムチ、カタクリ粉、塩、コショウ、油、マヨネーズ
・三枚におろし皮を湯むき*(バスの前処理参照)したバスの身に塩、こしょうを振って下味をつける。
・それにカタクリ粉をまぶし油でソテーする。ここまでは上記のトマトソース煮と同じ。
・食パンを用意し、レタスをのせマヨネーズをぬる。それにソテーしたバスの身とキムチをのせてサンドし、できあがり。
* キムチの酸味と辛さが食欲をそそる。

4. バス丼
材料 ブラックバス、ごはん、カタクリ粉、塩、コショウ、油、めんつゆ、砂糖、山椒の粉、七味唐辛子
・三枚におろし皮を湯むき*(バスの前処理参照)したバスの身に塩、こしょうを振って下味をつける。
・それにカタクリ粉をまぶしフライパンを使い油でソテーする。ここまでは上記二つと同じだがソテーするときの油は少なめに。
・バスに火が通ったら、砂糖とめんつゆ(多めに)をかけ、ある程度煮詰まるまで加熱する。
・あとは、どんぶりにごはんを盛り、バスの身をのせ煮詰まったたれを上からかけてでき上がり。
* 食べるときに好みで山椒粉、七味唐辛子をかけていただく。

* バスの前処理
バスを食べる際に内臓はもちろんですが臭いのもととなっている皮を取り除く必要があります。
また、うろこを取ろうにも非常に硬く大きなうろこは取り除くのは面倒です。部屋中にうろこが飛びますしね。
そこで「湯むき」を行います。皮をつけたままで普通に三枚におろした身を軽くゆでます。
皮に火が通ったと思ったら、お湯からあげて手で皮をむきます。そうすると驚くほど簡単に皮をむくことができます。
そして身についた水分をペーパータオルか何かでふきとって終わりです。
便利なことにバスの身はかなりゆでてもくずれることはありませんので、加熱調理に使う場合に皮をむくにはこの方法がベストでしょう。


追記 ブルーギルも美味しいよ。バスより美味いかもしんない。釣ったら食え!


LINKS


ルアーフィッシングサイトCatch&Cook

「釣ったら食う」という管理者と同じ信条を持つページ。海水魚・淡水魚問わずさまざまな魚料理のレシピが豊富。
ブラックバス料理のレシピには、ムニエル、バスチップス、フライ、唐揚げがあり、その内容も非常にわかりやすい。

舞鶴生き物研究所
舞鶴蒲鉾協同組合の方がひらいているページ。
ブラックバスの蒲鉾の作り方が紹介されている。でも、臭いらしい・・



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