温泉ガイド拾遺・失われた温泉たち
福名湯(ぶなと)冷泉


盛岡市川目に福名湯(ぶなと)という大正時代まで賑わった温泉場があった


安永七年の盛岡大火で一儲けした左官が大盤振舞してその金を使い果たしたという話が残っているほどの歓楽地であったらしい


盛岡市民でもその存在や歴史を知る者は少ないが、川目御中神社の裏にその源泉はまだあった


冷泉の変遷については、源泉のそばに建っている老人会の看板に詳しい


湧出量は少なく、冷たい水がチョロチョロと流れ出ている


冷泉は無色透明で、温泉成分が含まれているのかは不明。普通の湧き水といえなくもない


北上山地系ゆえ、成分は希薄だろう。湧き出した冷泉は神社の社のわきにささやかな池をつくっている


民家のような廃屋も残っている。冷泉の所有者、三浦家のもののようだ。裏には1980年の古新聞が積まれていた


温泉宿を廃業した後も、冷泉を浴用にしていたのか、離れに朽ちた風呂場が残っていた


看板のある源泉より一段上った道のわきにも、水が流れ出るままになっている祠のようなものがあった



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